学術情報は、学びや教育、研究に必要な情報やデータと、そこから生まれる新しい知です。学術情報基盤センターは、東京都立大学の全分野で教育・研究を支える基盤として、図書館機能と学術情報資源、学内ネットワークなどを統合し、学術情報の生成から提供までを支える教育研究組織です。当センターは2012年4月に図書・学術情報部門情報メディア教育支援部門情報基盤技術部門の3部門で発足後、2025年4月に大学教育センターから情報教育部門が移籍し、4部門構成になっています。

 大学の教育研究とその環境は常に変化しています。近年ではデータサイエンスやAIの普及など、状況の変化に伴い、情報教育部門は大学全体の情報基礎教育の内容を更新してきました。また、オープンサイエンスやオープンエデュケーションなど、教育研究の内容や成果を、社会へ公開・還元する動きが世界的に加速しています。図書・学術情報部門は機関リポジトリデジタルアーカイブ、情報メディア教育支援部門はオープンコースウェア(open courseware, OCW)、など、新しいサービスを開始・導入してきました。

 今後直近では、本学の国際化の新しい取り組みである英語学位プログラムと国際系新学部への対応、オープンサイエンス関連で国が推進する研究データ管理デジタル・ライブラリーへの対応を進めます。また、東京都が推進するAI戦略への連携検討を含め、DXとサイバーセキュリティも加速が必要です。より安心・安全で創智を促進するICT環境と学術情報基盤の構築を目指し、学内の関係者、また、本学を設置・運営する東京都公立大学法人法人傘下の学校の関係者と協働して取り組んでいきます。

 他にも、図書館の都民利用オープンユニバーシティの一部講座のOCWでの公開、eduroam新しいTOKYO FREE Wi-Fiなどの学外向けWi-Fiの導入、中学生の職場体験受入、など実施しています。東京都の公立大学の組織として、知の還元やサービスの提供などを通じて、地域住民や都民をはじめ学外のみなさまにも広く貢献するよう取り組んでいます。なお、オープンキャンパス(大学説明会)では模擬授業や学修でのICT活用紹介、図書館見学や貴重資料展示などを実施しています。ご来場時にはぜひお立ち寄りください。

 本学での学術情報と学術情報基盤とを支えるために、当センターの教職員や関係者が日夜協業して取り組んでいます。当センターの活動に、みなさまのご理解、ご協力、ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

2025年4月 学術情報基盤センター長 藤吉正明